生理機能検査について
浮間中央病院 検査科 佐々木 遥
当院では多くの検査が予約検査となっております。
予約検査の場合、予約時間を守っていただきますようご協力ください。
遅刻されますと、順番が後回しになることがございます。
予約が不要の検査は、心電図検査、マスター心電図検査です。
今回は、生理機能検査の種類と説明をお話いたします。
☆心電図検査
心臓の動きを波形で記録・解析する検査で不整脈・虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症など)の情報を得ることができます。
心筋症や先天性心疾患、電解質の代謝異常などの診断に重要な検査です。
※検査を受ける際の注意点※
・電極を付ける都合上、手首と足首が露出しやすく、上半身が脱衣しやすい服装でお越しください。検査時間は約5分です。
・ベッドに仰向けで寝て検査を行います。
・両側の手首、足首、胸に電極を付け記録します。
(電極の付け外し時に冷たさや軽度の痛みを感じることがありますが、感電はしていないのでご安心ください)
☆ホルター心電図検査(24時間心電図検査)
24時間にわたり心電図を記録します。
不整脈や異常波形がたまにしか現れず、短時間の検査では異常を見つけられない場合、携帯型心電計を胸に装着し、日常生活での不整脈の有無や自覚症状との関連を調べます。
心臓疾患の検出や治療効果判定に使用します。
※検査を受ける際の注意点※
・検査中は入浴ができませんのでご了承ください。 (シャワーはできます。)
・心電図変化と症状の関連を調べるために、検査中の行動や症状を記録表に記入していただきます。
・機械をはずすために翌日も来院していただきます。必ず二日間来院可能な日に予約してください。
【運動負荷心電図検査】
☆マスター負荷心電図検査
階段を決められた時間内に適応回数、上り下りをくりかえしていただき、運動の前後の心電図の変化を調べます。
心臓に異常があっても、安静にした状態の心電図ではみつからないことがあります。
そこで患者様に運動をしていただき、心臓に一定の負荷をかけて異常を見つける検査です。
狭心症の診断に用いられています。
※検査を受ける際の注意点※
・動きやすい服装と運動靴でお越し下さい。
・運動中気分が悪くなったり、胸部症状が出現した際には無理をせずすぐに知らせてください。
・階段の段差が比較的大きいので、膝に不安のある方は主治医の先生にご相談ください。
☆トレッドミル負荷試験検査
心電図と血圧を観察・記録しながらランニングマシンの上を歩いて運動していただきます。
心臓に負荷をかけて異常を見つける検査です。
ベルトの傾斜と速度を一定時間ごとに上げていき、 患者様の運動能力にあわせた負荷量を加えることができます。
負荷後も、心電図・血圧・症状が負荷前に戻るまで心電図記録を行います。
潜在的な心疾患の検出や運動制限の範囲などを評価することができます。
運動中も心電図の電極をつけたまま記録を行なっていますので、より的確な運動量で負荷を行なえます。
心筋梗塞後の患者様でも回復後の運動の可否を決めたり、治療効果の判定などにも用いられます。
※検査を受ける際の注意点※
・動きやすい服装と運動靴でお越し下さい。
・運動中気分が悪くなったり、胸部症状が出現した際には無理をせずすぐに知らせてください。
・膝に不安のある方は主治医の先生にご相談ください。
・担当医が立ち会いますので安心して検査を受ける事ができます。
☆心肺運動負荷試験検査(CPX)
運動中の心機能と肺機能を両方同時に測定する検査です。
心電図と血圧を観察・記録しながら自転車のペダルをこぎます。
心臓については主に狭心症、心筋梗塞など心疾患の有無や程度を判定し、心臓のポンプ能力を調べます。
また心臓に病気を持っている方や、高血圧や糖尿病で運動療法が必要な方の、心臓に負担をかけずに安心して実施できる運動レベルがわかります。
ペダルの重さ(抵抗)を変えることで負荷量を変えていき、心電図の変化を見ます。
検査時間は約40分程度です。
トレッドミルと違い、つまずいたりふらついても倒れることがありません。
座って検査するため、ひざや腰に不安がある方でも、安全にできます。
心臓手術後や心筋梗塞の急性期、高齢者の検査によく使われます。
☆加算平均心電図検査(LP)
加算平均心電図は、心電図波形のたし算と平均を繰り返して、通常の心電図では記録できないとても小さな信号を記録する検査です。
加算平均心電図は、重症心室性不整脈(心室頻拍や心室細動など)の発生予測に大変有用な検査です。
2019年10月23日