レクリエーションと回復期リハビリテーション病棟
浮間中央病院 回復期リハビテーション病棟 師長 掛地美緒子
CS委員 堀/毎田/金子
当院の3Fは、回復期リハビテーション病棟となっています。様々な疾患の急性期を脱しても援助が必要な患者様に対し、退院後の生活復帰のために多くの専門職種がチームをくみリハビリテーションにあたっています。当院は、循環器専門医が多いため、既往に循環器疾患を持っていらっしゃる患者様が多いことも特徴となっています。
今回は、回復期リハビリテーション病棟で行っているレクリエーションについてご紹介したいと思います。
当病棟では、年に4回、季節を意識したレクリエーションを行っています。昨年度は、2月に豆まき、7月に七夕、10月に秋の歌会、そして12月にクリスマス会をしました。レクリエーションの中でも一番盛り上がるクリスマス会の様子をお伝えします。
12月に入り、クリスマスツリーがエレベーター横に設置されました。作成可能である患者様に一人1つのオーナメントを紙粘土やビーズで作成していただき、ツリーに飾り付け、クリスマスの準備をしました。クリスマスソングや季節の童謡が流れます。
クリスマス会当日には、スタッフ皆が赤と白のクリスマス衣装に身を包み、雰囲気を盛り上げ、ベル演奏を披露しました。参加した患者様全員で早口言葉を読み上げるコーナーや、「きよしこの夜」や「たき火」「お正月」といった誰もが知っている歌を合唱するプログラムもありました。参加する患者様は変わっても、いつも皆様熱中され、活発に声をあげ、隣に座っている患者様同士で会話をされる光景が見られます。歌は、あらかじめ食事前などにCDをかけ耳慣らしをしていることもあり、自発的に声を出し、歌うことを楽しまれていました。最後は、ビンゴ大会、宴は大盛況の中終了しました。スタッフと撮影したスナップ写真のプレゼントをとても喜び、見せてくれる患者様もいました。
季節ごとにレクリエーションを行うことで、非日常が生まれます。レクリエーションを行うことで、五感の刺激、コミュニケーションの促進、ストレスの軽減、喜びや楽しみの形成、疲労回復や健康増進につながるといわれています。レクリエーションは、明日からのリハビリテーションを持続・展開させるために間接的にはたらくと想定し行っていますが、レクリエーションの内容は、リハビリテーションに通じるものを選択しており、治療的レクリエーションの要素も含まれています。
季節のレクリエーションとは別に映画鑑賞会も月1回の割合で開催しています。患者様が若いころに流行した映画や音楽などを鑑賞します。昔の記憶は現在に比べ新鮮である事が多く、映像を見ることで過去の一時点に戻り、脳を刺激し、活性化できると言われています。また、患者様同士の共通の記憶でもあるためコミュニケーションの材料にもなり、より楽しく、喜びや満足感を感じることができると考えられます。
11月は、「8時だよ、全員集合」のビデオを見ました。1960〜80年代に放送されたテレビ番組ですが、途中退席する人もいなく、集中して画面を見つめ、笑い声が絶えずおき、とても好評でした。また、NHK紅白歌合戦のビデオ映像を流した時も集中されていました。
リハビリテーションを効果的に進めるためにも患者様がより楽しめるレクリエーションを今後とも取り入れていきたいと考えております。