おもしろい花と母の想い出
介護老人保健施設「太陽の都」 看護部長 今野 清子
今回のコラムで2回目の登場です、よろしくお願いします。
前回は、太陽の都近くの桜の名所をご紹介しましたが、今回もお花にまつわる私の想い出を言葉にしてみました。
私の母は平成14年に74歳で亡くなりました、夜勤の仕事をしていて
母の死に目には遭えませんでした。父のときは傍に付き添うことができ
悔いはあまり感じませんでしたが、その連絡に一瞬足の力が抜けてゆく
のを覚えています。
母は、24歳で父と結婚し、明治生まれの厳しい姑と同居の生活が始まり
ました。2男3女をもうけましたが、長女は生後14日目にして母乳が飲
ず亡くなりました。昭和28年のことです、その後私が生まれたわけですが私も体が小さく、母乳の出も悪く、この子は大きくなるのかと心配し、ヤギを飼いその乳で私は育ち今ビッグな体型になりました。
私が小学校に上がったころのある日、行商のおじさんがやってきました。
その頃は生活して行くだけで、精一杯でしたが母に甘えて花の種を買って
もらいました、庭先の隅に種をまき、毎日水をあげ、やがて芽が出て花が
咲きました。その色は私の家には不釣り合いと思える、濃いピンク色の花びらでした、自分の気持ちを心の中に秘めるような強烈な色です。
おしろい花は、年数が経つと茎も太くなり、根茎もサツマイモのように太くたくましくなり、当然のことながら枝も四方八方に勢いよく伸びます。
最近は気候の変化で、夏から晩秋の頃まできれいな花びらを見ることができ「おっ 今日も頑張っているな、今日もがんばるぞと」元気を母からもらっているような気になります。
お花は私たちの心や気持ちを穏やかにしてくれます、太陽の都のご利用者さんに元気が届くよう話しかけてください。