おいしい物が食べたい?
介護老人保健施設「太陽の都」 介護長 原田浩史
7月27日に夕餉(ゆうげ)の会という企画名の夕食会を行いました。事の発端は数ヶ月前に職員が観たTV番組の話から。
ある脳外科の先生の話で「私が勤めていた病院では元気な患者さんはみんな外に御飯を食べに行ってしまう。食事がきっとおいしくないのだろう。
自分が子供の頃は病気になると親がバナナを買ってくれた。とても美味しかった。病気の人は美味しくて栄養のあるものを食べる、というのがあったのだろう。」との話。
この話を職員としていて確かに施設や病院では個別に細かく刻んだり、水分にトロミをつけたりと嚥下状態に考慮した個別メニューではあるものの美味しさの追求に関しては予算の都合もあり厨房の努力だけでは難しいのが現状であると日々感じていました。
そんな時沖縄出身の職員が「じゃあ私が沖縄そばでも作りましょうか?」と一言。普段から自宅で作った手料理を施設に持ってきて他職員に振る舞ってくれる職員で、肉の煮込みは絶品。 「よし、やってみようか。」参加者から実費を頂くシステムにすれば美味しい物が作れて平等性も保てるということで最初お一人800円で計画を立てました。ただ実際にその話をご利用者様、ご家族様にして同意を得られなかったらどうしよう、という不安がありましたが杞憂に終わりお話をさせて頂いた所全ての方から是非参加したい、との申し出を受けました。
準備では不慣れなことが多かった為食器集めや材料調達など四苦八苦しながらなんとか当日までに準備が整いました。当日はご家族様の参加もありご利用者様9名(ご家族様含む)、職員(実費負担)8名が参加。普段食事を半分も食べない方が「美味しいよ。」と沖縄そばを全て平らげたり、一言も喋らずに黙々と食べ続ける方もいたりと普段見ることのできないご利用者様を見れたように感じました。
職員からも「みんな美味しく食べてくれて嬉しかった。」「またやりましょう。」との声も聞かれ次回も計画中です。
個別に100食作るのはとても大変。でも少数なら美味しいものを提供しやすい。また次回も皆が笑顔になれるように企画したいと思います。
【今回のメニュー】
・沖縄そば(三枚肉入り)
・ジーマーミ―豆腐
・冬瓜の煮浸し
・人参しりしり
・シークワーサーゼリー
・さんぴん茶