Robotic Joint Center

ロボティック人工関節センター

2021年10月 新病院開設に伴い人工関節手術支援ロボットを導入しロボティック人工関節センターを開設いたしました。
当院が導入するロボットはアメリカ ストライカー社製のMAKO(メイコー)システムでおよそ15年の臨床実績があります。
現在この先端技術は世界各地で導入されておりますが現時点で本邦では二十数カ所、都内では大学病院を中心に5病院目となります。
当院では以前より医師の技術や経験のみに頼らずナビゲーションシステムなどのテクノロジーを取り入れ
人工関節治療を行って参りました。


 

Mako®System

術者が操作し、Roboticが制御を加えます。
このMAKO1台で人工股関節置換術(THA)、人工膝関節置換術(TKA)の手術が可能です。
また来年には膝部分置換術(UKA)と3つの人工関節置換術に認可がおりる予定されています。
※このシステムではロボットが手術を行うわけではありません。

 

【3つの特徴】

Makoの3つの特徴についてご説明します。
第1に、CT-Basedで3Dの術前計画を行うことにより、患者さん個々の骨特性をより理解したうえで計画可能である。
第2に術中の軟部組織例えば靱帯などを含めた関節のバランスを定量的に把握し、
それを元に骨切除量を検討し設置位置の最適化が出来る。
第3にロボティックアームで制御されることにより、正確な骨切りと周辺組織の保護を行える。
この3つが組み合わさり、Makoの手技、術後の成績を作り上げています。

 

Mako® Total Hip
人工股関節置換術(THA)

Makoの大きな特徴は、CT-Based 3Dの術前計画を行え、それを他のシステムに移し替えることなく、
術中にロボティックアームの制御により術前計画を高い精度で反映できる、というところにあります。
もちろん、術中にプランを変更をすることも可能です。

 

【Cup mode Reaming View 3D プランニング】

CTの平面画像から3D画像を構築しカップの角度、位置、被覆の程度を検証できます。
グリーンで表示されている部分がリーミング予定部位です。

  • 予定されたカップ設置位置に基づいたリーミ ングエリアを3D骨盤モデル上にグリーンで表示
  • カップ設置位置は、PIP ウィンドウ内で選択できる横断面、矢状面、前額面のCTビューで調整可能

【Reduced mode】

こちらの術前計画の画像シミュレーションではインプラント設置後のイメージを表示しています。

  • 両股関節を表示、インプラント設置後のイメージが表示
  • インプラントを入れた状態と、反対側・術側の術前比較(脚長・オフセット)
  • インプラントサイズを変更することで、脚長・オフセットを調整することも可能である

【Mako® System】

Makoのロボティックアームの先端に骨を切るボーンソーや骨を削るためのリーマーなどのデバイスがつき、それを術者が操作します。
ロボティックアームの角度、位置などを制御することにより、マニュアルに比べて、正確な骨切やリーミングが可能となっています。

 

Mako® Total Knee
人工ひざ関節置換術

術者が操作し、Roboticが制御を加えます。
このMAKO1台で人工股関節置換術(THA)、人工膝関節置換術(TKA)の手術が可能です。
また来年には膝部分置換術(UKA)と3つの人工関節置換術に認可がおりる予定されています。
※このシステムではロボットが手術を行うわけではありません。

人工膝関節置換術後の違和感を改善する一つの方法としてPatient Specific Alignment
人それぞれの特有の脚の形を考慮するという手術の考え方があります。
従来のTKA手術では人それぞれ大腿骨や脛骨のかたちは同じではないのにもかかわらず
どんな脚も一律に下肢を真っ直ぐにするようにしてきました。

 

【ナビゲーションプランニング】

簡単に説明すると元の患者の持つ大腿骨の遠位外反角や脛骨近位内反角を加味し伸展及び屈曲ギャップを整える手術手技です。
膝の安定に最も重要である内側側副靱帯の剥離を最小限としまた元の関節の高さ(ジョイントライン)を保つ方法で疼痛が少なく安定した関節を再建する手術といわれています。
この手術方法はこの画面で示すようなナビゲーションや手術ロボットが必要です。
ミリ単位や0.5度単位での矯正が必要になることもあるためです。
特に重要なのは内側の伸展及び屈曲ギャップを合わせ内側側副靱帯の緊張を一定に保つことです。
しかし術前計画が良くても骨質の硬い方などでは骨を切るためのボーンソーの刃先がはじかれてしまい術前計画通り骨切を行うことが難しいと感じていました。

【CT-Based 3D プランニング】

ひざも股関節同様CTデータより3Dプランニングを行います。

【大腿骨レジストレーション】

レジストレーションを大腿骨を40ポイントそして、
手術中に骨切り前の時点で膝に内反 外反ストレスをかけ靱帯等を加味した軟部組織
のバランスを確認しインプラントの設置位置や骨切量を検討することが出来ます。

【Cutting Guideを使用しないDirect cut】

MAKOシステムでは骨切ガイドを必要とせずダイレクトに骨切を行います。
緑で表している部分が予定された骨切除部分です。
又、緑の線がボーンソーの可動範囲でその枠を超えて動かない様にロボットに制御されています。非常に正確で安全な手術が行うことができます。