地域の多職種に向けた褥瘡研修、TOKOωTOKOセミナーについて

 私は、褥瘡に関わる専門家として北区訪問看護ステーション協議会の仲間と共に、2014年に床ずれをなくそう!TOKOωTOKO~北区褥瘡対策プロジェクト~(通称とことこ)を立ち上げました。「とことこ」は地域の褥瘡ケアのスキルアップを目指し、看護職員のみならずリハビリ職員、介護職員、ケアマネジャーなど地域の多職種に向けて、定期的に学習会を開催しています。
「とことこ」は今年で10年目を迎え、その記念すべき第23回目の学習会を赤羽中央総合病院「つどいの広場」で行いました。テーマは「ケアプランが変わる!在宅介護が変わる!床ずれ予防」~予防の基礎を学び、多職種で協力しよう~です。キャンセル待ちが出るほどの大盛況で、在宅ケアに関わる方だけでなく、近隣の病院、老健等の多職種の方たち65名の方にご参加いただきました。
褥瘡を予防するには、多施設、多職種の褥瘡ケアに関する知識技術の向上及び、切れ目のない連携が必須です。又、専門職のみならず、患者さんやご家族への啓もう活動も必要です。今回の学習会では、床ずれ予防プログラムを用いて褥瘡予防ケアの基礎を学習した後、ご家族の褥瘡予防に関する知識が無いために発生してしまった事例や、歩ける方に発生した褥瘡事例を基に、褥瘡を予防するにはどのような関わりができたか、どのような施設間の連携が必要だったのかについてグループワークを行いました。
赤羽中央総合病院では、地域の「かかりつけ医」の先生と入院後も連携した治療ができるよう「2人主治医制」を推進し、地域医療連携を強化しています。褥瘡治療においても、地域でケアに当たられる在宅や施設の看護師さんからの相談に応じることや、訪問看護師さんと同行訪問することにより、より良い治療やケアができるよう連携を行っています。
褥瘡は、1人が不適切なケアをしただけで発生してしまいます。医療介護に関わる専門職への啓発活動を引き続き行うと共に、地域の方たちへの啓もう活動にも着手していきたいと考えています。

 

2024年6月21日

皮膚・排泄ケア認定看護師 高橋 麻由美
※研修参加者及び世話人の了承を得、写真の掲載をしています。