桜の花が咲き始めました。新病院がスタートしてはや半年が経ちます。その中で猛威をふるったオミクロン株コロナウイルス感染症も沈静化に向かいつつあり、近々まん延防止等重点措置も解除される見込みとなっており、春の訪れを感じるこの頃です。
オミクロン株は従来株よりは重症化しないとされているものの、感染力は凄まじいものがありました。それへの懸念も手伝ってか、特に高齢な方ほど様々な活動の自粛を徹底され家にずっとおられた印象があります。それは新型コロナウイルス感染予防には大変良かったことなのですが、大きなデメリットももたらされました。ほとんどの方がそのために目に見えてわかるほどの体重増加、運動不足、骨格筋量減少、筋力低下に陥り、血液検査では血糖値、コレステロール、中性脂肪値が明らかに増加しています。また生活習慣病である高血圧、脂質異常症、糖尿病等を以前からお持ちの方も、その病状が悪化している方が少なくありません。さらに問題なのは、病院への通い控えです。定期的な受診をされずに薬の自己中断をされていたり、健診に行かずに悪性疾患の早期発見が遅れてしまわれた方も多々見受けられます。生活習慣病においては、薬を決められた通り飲んでおられない方は、きちんと飲まれている方に比べて、将来動脈硬化性疾患などの合併症が発症する確率は明らかに高くなることが言われています。悪性疾患に至っては、早期発見をするかしないかで、生命予後が大きく異なります。私共、赤羽中央総合病院の特別顧問である日本大学医学部呼吸器外科の櫻井裕幸教授によると、昨今日本でも急速に増えている肺癌は症状が出てからでは遅いと警告されており、日頃の定期的な健康診断・検診を強く奨めておられます。
まん延防止等重点措置を解除されたあとは、様々な分野でGo Toキャンペーンが改めて行われると聞いておりますが、私共としましては「Go Toホスピタル(病院に行きましょう)」を真っ先に訴えたい気持ちでおります。コロナ感染症以外の疾患に対しても改めてしっかりと向き合うべき春なのだと思います。