2023年の幕が開けました。私ども赤羽中央総合病院は2021年10月に新規移転開業して以来、2度目の正月を迎えることとなりました。年頭にあたりまして、相変わらずのコロナ禍の中ではあるものの、皆様の多大なるご支援のもと、旧病院を含めた開設67年来の「愛と奉仕」の精神を貫き、地域の方々の健康に最大限貢献するよう職員一丸となって邁進いたしておりますことをまずはご報告申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が日本を襲ってから、早3年が経ちました。ウイルスはその姿を刻々と変え、いまだ衰える兆しはなく、この正月はインフルエンザウイルスとともに8回目の流行の波を迎えています。この3年間の間に、多くの人々の生活様式や価値観が大きく変わりました。合わせて、医療の内容においてもその例外ではありません。病は新型コロナウイルス感染症だけではありません。コロナ禍が他の疾患の診療に大きな影響を与えてきたことはその後世界中から報告されており、そのことは当コラムでも何度も申し上げて参りました。肺がんや消化器がんなど悪性疾患においては、診断の遅れのみならず、すでに診断されている患者の治療の遅れが世界各国から報告されています。糖尿病などの生活習慣病においても、診断や治療の遅れが報告され、その結果として合併症の重症化例が増加しています。良性疾患とて、いつでも治療ができると思って見合わせていたものが、もはや手術ができない状態になってしまっていた例があります(白内障や、関節疾患など)。これらは、やはり外出控え(受診控え)、感染対策の内容、社会活動における行動変容、医療機関の逼迫による受け入れ困難や検査・治療の延期など、様々な原因が積み重なっての結果だと言われています。
当院は、幸いこの3年間、大規模な院内クラスターを起こしたことは一度もなく、あらゆる病の方々に対する診療を休むことなく行って参りました。新病院になって、旧病院の3倍にもなる約3000名に及ぶ救急患者をERに受け入れるようにもなり、新設した婦人科、小児科、呼吸器外科、心臓血管外科等の受診者数も飛躍的に増加しております。引き続き、感染対策を含めて安心して受診していただける体制を万全に整え、地域の皆様が気兼ねなく受診していただけるよう努めて参ります。
職員一同を代表いたしまして、重ねて本年も何卒宜しく御願い申し上げます。